本連合会は、法教育(法律専門家ではない一般の人々が、法や司法制度、これらの基礎になっている価値を理解し、法的なものの考え方を身につけるための教育)の担い手として期待されている法科大学院生・大学院生・大学生・法教育団体等の相互の交流と協働により法教育活動を実践し、その活動を通じて得た法教育情報・ノウハウを学校や団体等の垣根を超えて共有・集約し、これを次世代へと継承することによって、法教育の普及・発展に寄与するとともに、社会に貢献することを目的として創立されました。(USLE規約第2条)
法教育の目的からすれば、その担い手は、法と教育、その双方についての素養が備わっていることが必要です。
法教育の必要性が指摘された当初、法教育を担うのは、「法律家」か「教員」か、という対立がありました。私は、教員の指導の下で、法科大学院生あるいは法学部生を活用することが最も望ましいと考えます。
それは、まず、法科大学院生らは子どもたちとの距離が近いということです。年齢が近いので、子どもたちはお兄さん・お姉さん感覚で接することができ、難解とされる法を優しく教え導くことができます。
また、法科大学院生らは、法律知識や法的素養を徹底的に叩き込まれる一方で、教員から教育に関して様々な指導を受けられるということです。教員の方々は、弁護士ら法律家に対し少なくない遠慮があるようですが、法科大学院生や大学生は、いわば教育実習生のようなものであり、教員から十分な教育上の指導を受けることができます。
このように法と教育、双方を兼ね備えた法科大学院生らによる法教育は、子どもたちに十分な教育的効果をもたらすものですが、実施する学生にとっても、法を知らない人に法を教え導くという、将来法律家になったときに必要とされる能力を養う機会となります。
そんななか、今般、法科大学院生が自ら立ち上がって、「日本学生法教育連合会(United Student for Legal Education/USLE)」を結成しました。
これまでは学校別にサークル的な活動をしてきた彼らですが、学校の枠を越え、また学年を超えて法教育に関する情報やノウハウを蓄積して共有し、これを次世代へと承継するために集りました。
この学生たちの動きは、法科大学院制度始まって以来初のことであり、法科大学院の将来に向けて大いに喜ばしいものと思います。
法や裁判を身近なものとし、社会で発生する紛争に対し、積極的に向かい合って解決する力を養う法教育。自立し、責任ある将来の主権者を育てるためにも、この若い学生たちのパワーを利用しない手はありません。
USLE賛助会員・國學院大學法科大学院教授
一般社団法人リーガルパーク代表
理事 今井秀智
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日本学生法教育連合会第2回総会
日時:平成30年6月22日(金)開場18:30開会19:00
場所:恵比寿EastGallery
東京都渋谷区東3丁目24-7EastGallery3F
会費:学生2000円・司法修習生3000円・一般5000円